第37章 Lunch Box*青峰*
付き合い始めて一緒にお昼ご飯を食べるようになった。
「お前毎日弁当自分で作ってんのか?」
パンをかじりながら、大輝が私に尋ねてきた。
「晩御飯の残りに自分でおかず少し足してるだけだよ。」
元々私の家はお弁当を持っていくのが当たり前で、お母さんが仕事で先に出掛けてしまう時は自分で用意していた。
「じゃあ俺の分も作ってこいよ。マネージャーなら選手の栄養管理も仕事だろ?」
「えぇっ!?私料理そんなに得意じゃないよ?」
彼の突然の提案に、思わず持っていたお弁当箱を落としそうになってしまった。
すると彼は私のお弁当箱から玉子焼きを盗み、ぱくりと食べた。
「…これお前作ったやつか?」
「…うん。」
「マジ美味い。」
嬉しそうな顔をして、もう一つ玉子焼きをつまみ食いする彼が可愛くて。
「…明日から頑張ります。」
翌日から二つお弁当を持って屋上で食べるのがお決まりになった。