第36章 木陰の下で*日向*
風がそよそよ心地よい。
大きな木の下にいるから、木陰でとても涼しい。
骨張っていて、ごつごつしてて、でも大好きな手が頭を撫でてくれている。
不謹慎だけど倒れてよかったかも。
いつもより順平が優しいし、めいいっぱい甘えられる。
「もう夏も終わりだねぇ…。」
「そうだな。合宿やってIH終わって練習して…あっという間だったわ。」
夢破れてしまったけど、また冬に誓いを立て再スタートしたバスケ部。
練習にも熱が入り慌ただしく過ぎ去った夏休み。
このタイミングで、久しぶりに二人きりでまったりできた。
「…ごめんな。」
「え?何で?」
「部活ばっかでどこにも連れていってやれなかっただろーが。」
「海行ったり、お祭り行ったり、山行ったりしてるよ?」
「合宿とか部活で行ったやつしかねぇよ!」