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黒子のバスケ*Short Stories

第35章 彼氏彼女ができるまで*笠松*


想いが通じあった日のこと。

中々気持ちを言い出せずに、気が付けば好きだと気付いた時から学年が一つ上がっていた。

クラスが変わってしまい、会う機会もめっきり減ってしまった。

前は毎日教室で会えていて、話していたのに。

ちょっと姿が見たいな。

足が体育館へと向き、こっそり覗くと久しぶりにバスケに熱を入れて練習する笠松くんを見られた。

休憩時間になったようで、リラックスした雰囲気に変わった。

話したいけど、そばにいたいけど邪魔は出来ない、と踵を返す。

すると、ぐいっと誰かに腕を強く引っ張られ足止めされた。

驚いて振り向くと、息を切らして汗をにじませた笠松くんがいた。

「笠松くん!練習は…いいの?」

「…今休憩だから。」

はぁっはぁっと荒い呼吸を彼が整えるのを待った。

「あ…のさ、俺も何でお前追っかけたのかわかんねぇんだけど。」

「えぇ!?」

「…でも、お前と話せねぇのなんか物足りないし、…会いたいって思ってた。」

同じことを思っていたことがすごく嬉しくて。

「私も同じこと思ってて気付いたらここに来ちゃってたんだけど。」

「はぁっ!?」

二人で顔をくしゃっとさせて笑ってしまった。

「私、笠松くんのこと好きだよ。」

素直に自分の気持ちを伝えたら、彼は一気に顔を真っ赤にさせた。

「嬉しいって思うから、お前のこと好きってことだろ…。」
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