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黒子のバスケ*Short Stories

第35章 彼氏彼女ができるまで*笠松*


そして今。

「名前悪いな。待たせちまって。」

「ううん。練習見てるの好きだし大丈夫だよ。」

いつも図書室で宿題したり本を読みながら待って、練習をたまに見学して一緒に帰る。

「あー!名前さん何か食べ物持ってないっスか?腹減って死にそうっス…。」

「食べなかったクッキーならあるけど…。良かったらどうぞ?」

「おい!黄瀬!お前はファンの子から差し入れもらったりしてるだろう!これは俺が頂く!」

「お前ら人の彼女に集るな!名前もこいつらに餌付けするな!」

皆と別れて、二人で並んで歩く。

最近になってようやく自然に指を絡ませて手を繋ぐことが出来るようになった。

「黄瀬くん犬みたいで可愛いけど、やっぱりイケメンだね。」

「毎日会うから、あいつがモデルだって忘れるわ。…やっぱ女子はあぁいうのがいいもんなのか?」

「うーん…。私は余りにイケメン過ぎると緊張しちゃうからなぁ。ゆきくらいがちょうどいいかも。」

「おい!どういう意味だ!」

反応が面白くてついつい笑ってしまった。

「格好いいとか関係ないの。私にとってはゆきが一番一緒にいたい人なんだから。」

「…お前は…。そういう恥ずかしいこといきなり言うな…。」

手で顔を覆って隠しているつもりでも耳まで赤くなる彼が愛しい。

「名前。」

「はぁい。」

「…好きだ。」

「ゆきだっていきなり言わないでよ!」

「お互い様だろ。」


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