第35章 彼氏彼女ができるまで*笠松*
彼との距離が縮まっていく日々のこと。
ありがたいことに席替えで隣の席になった。
授業中当てられてわからないと、然り気無く答えを教えてくれた。
筆箱忘れた時に、「お前どっか抜けてるよな。」って呆れた顔しながらペンや消しゴムを貸してくれた。
バスケ以外にも音楽が好きで、お薦めのアーティストのCDを貸してもらったりしたこともあった。
「笠松くんが普通に喋れる女子って名前くらいじゃない?」
そう友達に言われるのも「特別」みたいで嬉しかった。
ただ根本的にあるのは、私が好きな人は「女の子が苦手」。
これ以上の関係は望めないかもしれなかった。