第31章 不器用故に*花宮*
結局お誘いを受け、バスケ部のマネージャーをすることにした。
「部長今日委員会で遅れるらしいから、先に連絡しときますわ。来月練習試合組んどります。大会前やで、しっかり調整しとくこと。」
「今吉先輩!どことやるんすか!?」
同級生の若松が瞳をギラギラさせて尋ねた。
「ん?霧崎第一や。」
絶対わざとだな、今吉先輩。
でも久しぶりにまこに会える。
卒業してから会ってないから、もう2ヶ月。
会いたいけど、会いたくない。
「名前ちゃんはどっち応援するん?」
不敵な笑みを浮かべながら、今吉先輩は私にあたかも当たり前のように尋ねてきた。
「何言ってるんですか!桐皇に決まってるじゃないですか。」