第31章 不器用故に*花宮*
中学の途中で避けられるようになり、「バカ」とか「トロい」とか貶されるようになった。
何でも出来てしまう格好いいまこはずっと私の憧れだった。
憧れの人に責められるほど辛いことはない。
「ねぇ、まこ!あたし何か悪いことした?…謝るから。」
「うるせぇな。お前みたいな女が近くにいると迷惑なんだよ!」
これ以上嫌われるのが恐かった。
だから進学先を尋ねることも出来ず、私は結局家から近い桐皇学園に進学した。
彼が霧崎第一高校に行ったと知ったのは、母親づてに聞いた時だった。
生活時間も全く違うらしく、家が近所でも偶然会うことはなかった。