第31章 不器用故に*花宮*
「俺に近付くんじゃねぇよ、バーカ!」
彼からそう罵られるようになったのはいつからだろう。
幼い頃はいつも優しくて一緒によく遊んでいた。
確か中学に入ってしばらくは変わらなかった。
彼はバスケの才能を開花させ、「無冠の五将」と呼ばれるようになった。
学業も常に成績トップで先生から一目置かれる存在になった。
元々整った容姿に磨きがかかり、女の子に声をかけられることも多くなっていた。
彼の方からだんだん私と距離を取るようになり、話しかけても煩わしそうな顔をされることが増えていった。
まこ。
高校生になった今でも大好きな幼なじみ。