第4章 君と僕の関係*伊月*
中学でもお互いバスケ部に入って。
休みの日には一緒に公園でバスケしたり、お互いの家でバスケのDVDを見たりなんかした。
「俊くん」「名前」と呼び合う関係。
「幼なじみ」という肩書きで、ずっと隣にいられると思っていた。
同じくらいだった目線もどんどん遠くなって。
気付いたらとても大人っぽくなっていた。
元々子供の頃から女の子みたいにきれいな顔だったけど、切れ長の瞳や艶やかな黒髪に見とれることも度々あった。
高校も俊くんと同じ誠凛高校に入学した。
バスケは大好きだったけど、女子バスケ部はなかった。
そこで、男子バスケ部のマネージャーとして、バスケを続けることにした。
そこで、少しずつ気付いてしまった。
たくさんの女の子の視線が俊くんに向けられていることに。