第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山
「由孝ー!」
ミス海常コンテストも見終わり、何か食べるかと模擬店に向かって歩いていた時。
パタパタと愛しい彼女が駆け寄ってきた。
「名前!」
「お。待ち人来る、だな。俺ら行くわ。」
笠松と小堀が気を効かせてくれた。
「すまないな。今度合コンするから!」
「いらねーよ!」
笠松が俺に肩パンを入れ、二人と別れた。
「名前、生徒会は大丈夫なのか?」
「うん。副会長の子にちょっとお願いしてきたから。今年で文化祭も最後だし、やっぱり楽しみたいじゃない。」
俺は彼女の手を握り、指を絡め歩き出した。