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黒子のバスケ*Short Stories

第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山


模擬店に行ったり、クラスの出し物を見に行ったり、軽音部のライブを見に行ったり…と、久しぶりに二人の時間を楽しんだ。

華やかな女の子たちが行き交う姿を名前が少し寂しそうな表情で見つめていた。

「名前、どうした?」

彼女は俺の呼び掛けに、はっ!と我に返る様子を見せた。

「…ううん!由孝さっきはミス海常がっちり見てたねー。今日は可愛い子いっぱいで嬉しいでしょ?」

「そうだな!今日はまるで学校が宝箱みたいだ!」

いつもならはいはい、とあしらう彼女が、はぁ…と溜め息をつき一言漏らした。

「あたしももっと違う格好したかったなぁ…。」

生徒会長である彼女は常にきちんと着こなされた制服姿だった。

「俺はさっきから普通に制服着てる名前しか目に入らないけど。」

その言葉に嘘はない。

彼女がいない時は目に飛び込んできた華やかな女の子たちが、二人で歩き始めてから全く目に入らない。

「うそつきっ。」

そう言いながらも顔を綻ばせている彼女をもう少しだけ一人占めしていよう。
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