第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山
文化祭当日。
「さぁ!お待ちかねミスタープリンセスコンテスト開催です!」
司会はカントク。
わぁぁっと歓声と拍手が上がる。
メインイベントなだけあり、結構な数の観客が集まっていた。
あ、名前だ。
さっきクラスに行った時の浴衣姿のまま、可愛いな。
友達と一緒に見に来ている。
各クラス1年生から順に出場者が舞台に出る。
水色のゆるく巻かれた長い髪をふわふわさせ、白いワンピースを着た子が壇上に上がった。
「え!女の子!?」「すごい可愛い!!」
一際大きな歓声が沸いた。
「黒子テツヤくんでーす!」
儚げで清純な姿に、多くの観客が見とれていた。
確かに可愛い。
名前のクラス、中々やるな。
2年生の番になり、また一人一人壇上に上がっていく。
白い肌に映える赤い口紅。
黒く艶やかな髪に赤い花の髪飾り。
黒地に赤や金の花模様の着物。
「うわぁ!あの人すごい綺麗!」「和風美人だね!」
黒子の時と同じくらいの歓声が上がった。
名前の方をちらりと見ると、目を丸くして口をぽかんと開けている。