第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山
「伊月俊くんでーす!」
バスケ部の皆の方を見ると、皆驚いた表情をしている。
扇子を口元にあてて、ポーズをとる。
まぁクラスの女子に言われたとおりにしてるだけだけど。
大きな拍手が上がり、舞台の後方に下がった。
出場者が出揃い、投票が行われた。
実行委員と生徒会ですぐに集計され、結果発表となった。
「それでは優勝者を発表します!」
観客はカントクの方へ熱い視線を注いだ。
「伊月俊くんです!おめでとうございます!!」
カントクがにやにやしながら、俺の名前を呼んだ。
スペシャルパンがバスケ部のものになるからな…。
優勝賞品を受け取り、クラスの皆に手を振る。
名前の方に視線を移すと、目がぱちっと合い笑って拍手してくれた。