第26章 教室にて。/高尾*今吉*水戸部
<今吉>
「ねぇねぇ今吉。数学のヤマ教えて!」
2年から同じクラスの苗字からのお願い。
「自分数学得意やん。」
「でも今回のところ難しいから自信ないんだもん。今吉ヤマ当てるの得意でしょ?」
苗字は結構成績は良かったはず。
どうしても性分か相手の裏を読んでしまう。
まさか、ワシのこと好きで…とか。
「…まぁ、えーわ。そこ座り?」
「やった!ありがとう!」
昼休みで大概出払っている教室。
ワシの前に苗字が腰掛ける。
目線が同じになって。
距離がいつもより近くなって。
あかん。
ガラにもなく照れるやん。