第23章 恐がる。/木吉*笠松*火神
「あたし…雷本当ダメで…。」
その時空が光り、雷が近くで落ちたような大きく激しい音が鳴り響いた。
「いやぁぁぁ!!!」
名前を見ると、目を瞑り耳を塞いでいる。
いつもしっかりした彼女が子どものように雷を怖がる姿。
俺は彼女の頭を自分の胸元に引き寄せ抱き締めた。
「鉄平!?」
「これで視界は暗くなるだろ?音が恐いなら、俺が塞いでやるぞ?」
俺の手は人よりもずっと大きい。
彼女の小さな手に比べれば確実に音を遮断できる。
「…耳塞がなくても大丈夫。だって鉄平の声聞こえなくなっちゃう。…落ち着くなぁ。」
怯えきっていた彼女の表情が少しだけ綻んだ。
「俺が守るからな。大丈夫だ。」