第22章 妬く。/黒子*日向*青峰
俺だって名前ともっと一緒にいたいし、もっと触れたい。
だがどうしても羞恥心や自制心が働き、うまく表現できない。
同性ということで、いとも容易く出来てしまうカントクに嫉妬をしてしまった。
「じゃあそろそろ行くわ!またねー!」
カントクが嵐のように去っていった。
「順平?」
「名前ちょっとこっち来い。」
ぐいと彼女の腕を引っ張って人気がない教室に入る。
「ちょっ…ちょっとどうしたの!?」
その瞬間彼女を胸の中に収めた。
「…悪い。カントクに嫉妬した。」
「え!?」
「名前がすげー楽しそうに見えたからな。…まぁ上手く出来ない俺が悪いんだけど。」
抱き締める腕についつい力が入ってしまう。
「順平あんまりそういうこと言ってくれないから、あたし嬉しいよ?」
驚いて思わず腕を緩めた。
すると、今度は彼女からぎゅっと抱きついてきた。
「リコといる時ははしゃいじゃうけど、順平といる時はすごく心が落ち着いて暖かくなるんだよ。」
(あら、日向くんやっぱり名前にベタ惚れね!)
(カントク…覗くなって…。覗きを取り除く…キタコレ!)
(あいつら何で抱き合ってるんだ?)
(鉄平…天然も大概にしてよ!)