第21章 甘える。/紫原*黄瀬*伊月
<黄瀬>
「りょーたー。髪拭いてー。」
お。お風呂上がり恒例のおねだりっスね。
タオルを持って、濡れた髪のままでとことこ歩いてくる名前っち。
「いいよ、おいで。名前っちここ座って。」
わしゃわしゃと髪をタオルで拭いてあげると、とても幸せそうな顔になる。
いつもオレのこと犬みたいっていうのに、この時は名前っちが犬みたいっスよ。
ドライヤーで髪を優しく撫でながら乾かす。
さらさらとした名前っちの髪を触るのは俺も好き。
「なんか涼太に乾かしてもらうと、髪の毛きれいになる気がするんだよねー。」