第20章 Good Luck*緑間*
期末テストが近くなり、私は教室で勉強して帰るようにしていた。
元々勉強は苦手ではないけれど、緑間くんはバスケ頑張っているし勉強も出来る。
そんな彼を見て、私も「人事を尽くして天命を待つ」ことにした。
今日のラッキーアイテムはシュシュ。
ポニーテールにした髪にちゃんとくくりつけていた。
気が付けば時計の短針は8の文字の近くを指していた。
「うわっ!もうこんな時間かぁ…。帰ろうっと。」
荷物を片付けて、鞄を持って教室を出ようとした瞬間。
目の前には私より30㎝以上背が高い男の子。
「緑間くん!今部活終わったの?お疲れ様ー。」
「苗字!こんな時間までいたのか。」
「もうすぐ期末だしね。私家だとあんまり集中出来ないんだ。」
「そうか…。お前の努力は認めているのだよ。」
ラッキーアイテムの効果はちゃんとあるみたい。
だって緑間くんと一緒に帰れたから。