第19章 一筋の光*青峰*
それから、大輝くんと放課後屋上でよく会うようになった。
お互い最近あったことを話したり、彼が堀北マイちゃんが好きで、「女はやっぱりおっぱいでけー方がいい」とかそんなどうでもいいことを熱弁していた。
「名前は…あ、ワリィ。」
「うっさいわ!変な気を遣うなー!」
彼は私に気を遣わないので、私もリラックスして彼といることができた。
ある日のこと。
「夕方はちょっと涼しくなってきたね。」
いつもの場所で二人でお喋り。
すると、階段を駆け上がる音と扉が勢いよく開く音がした。
梯子が軋む音とともに、桃色の長い髪を棚引かせた可愛い女の子が現れた。
「大ちゃん!もー…やっぱりここにいた!」
「おぅ、さつきか。」
特別な呼び名に何故かチクリと胸が痛んだ。
「あ、すいません。今少しだけ大丈夫ですか?」
「はい、もちろん。」
彼女は私に気付き、計らってくれた。
「大ちゃん今日こそ部活出てって言ったじゃない!もうすぐWCなんだから…。」
「はいはい。明日は行くわ。」
呆れ顔で一つため息をつき、私に会釈して彼女は屋上を出た。
「…あの子彼女?」
「ちげーよ。さつきは幼馴染み。」
「部活って何してるの?放課後はいつもここにいるじゃない。」
「…バスケ。」
その言葉を口にした時、彼の表情が曇った。