第19章 一筋の光*青峰*
私には幼稚園からずっと一緒の幼馴染み、夕がいた。
親同士も仲良しで、異性ではあったが思春期を迎えても仲の良さは変わらなかった。
高校もお互い家から近い桐皇学園に進学した。
関係が変わったのは去年の1学期の終業式の日。
高校1年生の夏だった。
彼は私をとても大切にしてくれたし、私も彼のことが大好きだった。
今年の1学期の終業式の日、つまり付き合い始めて1年になった日に彼は私が欲しがっていた銀色の指輪をプレゼントしてくれた。
「指輪を付けるのは照れ臭い」と言っていた彼も、チェーンにリングを通して付けてくれた。
最高に幸せだった。
これからもこんな風に続いていくんだろうな、と思った。
彼が一緒にいることは、当たり前だったから。
翌日。
夕の携帯の番号から電話がかかってきた。
いつも通り「はいはーい」と出た。
返ってきたのは聞き覚えのある女の人の声。
夕のお母さん。
一瞬で嫌な予感がした。
「名前ちゃん…。夕が事故に遭って…。」
信号待ちをしていたところに、居眠り運転の車が突っ込んだ。
ニュースでたまに見かける交通事故でまさか自分の最愛の人が犠牲になるなんて思っても見なかった。