第17章 一日だけ*赤司*
目の前には色鮮やかな和服の数々。
光を放つ髪飾りやアクセサリー。
綺麗に浴衣を着飾ったお姉さんに、私は瞬く間に変身させられていた。
ちなみに浴衣は自分で選んだ。
白地に赤と黄色の大輪の花が咲いている。
まるで、征ちゃんの瞳みたい。
「とっても素敵ですよ。彼もきっと喜びますね。」
お姉さんに背中を後押しされて、私は彼の元へ向かった。
彼も漆黒の浴衣を着て待っていた。
シンプルだからこそ、彼の綺麗な赤髪がよく映えていた。
彼が出てきた私に気が付いた。
その瞬間目を少し見開いたように見えた。
「名前…。とてもよく似合っている。可愛いね。」