第2章 NAME*黒子*
いつも邪魔にならないように、体育館が見える教室からそっと練習を覗いていた。
そろそろ部活が終わる時間。
体育館に向かう渡り廊下を歩いていると、さつきちゃんが体育館に入っていく姿が見えた。
何となく気まずくて、入り口の側で立ち止まってしまった。
「テツくん!どうしよう…大ちゃんと喧嘩しちゃった。嫌われちゃうかも…。」
さつきちゃんはちょっと涙ぐみながら、青峰くんとの喧嘩の内容を話していた。
少し心配になり、体育館に入ろうとした時。
「大丈夫ですよ。青峰くんはちょっとカッとなって言い過ぎただけです。嫌いになったりしませんよ。」
黒子くんがさつきちゃんの頭を撫でながら励ましていた。
優しいのはわかってるの。
だけど、もう限界。
今のこんなぐちゃぐちゃな気持ち知られたくない。
私は黒子くんに一通メールを送って、足早に学校を出た。
To:黒子くん
「練習お疲れ様!
今日は友達とご飯行くことになったから、先に帰るね(>_<)
また明日ね!」
私の精一杯の強がり。