第2章 NAME*黒子*
実は未だに黒子くんから「好き」と言われたことがない。
告白の返事も、「ありがとうございます。よろしくお願いします。」だった。
本当に私を好きで付き合ってくれているのか?
優しいから、断りきれなくて付き合ってくれているのか?
…自信がない。
あぁ、何だか心がもやもやする。
でも折角そばにいられるのに、我が儘言って困らせたくない。
心の中の泥々したものを見せて、嫌われたくない。
「苗字さん、どうかしましたか?」
ふと黒子くんの声で我に返る。
「ううん、なんでもない。」
気付かれないように、にこっと笑った。