第16章 君の願い*赤司*
私は洛山高校でバスケ部のマネージャーをしている。
入学式の日、同じクラスにいた一際異才なオーラを放つ彼、赤司くんに半ば強制的にバスケ部を勧められた。
何か私に特別なものを感じたらしい。
人から見出だされるなんて、人生で初めての経験。
不思議に思いながらも、すぐに入部を決めた。
幸い先輩たちは個性的だけど皆さん素敵な方ばかりだった。
年上なのに弟みたいで、元気で明るい小太郎先輩。
男の人なのにお姉さんみたいで優しい玲央先輩。
人間とは思えないほどの大食いで豪快だけど気はいい永吉先輩。
そして、そんな皆を束ねるのが、1年生にして主将の赤司くん。
言葉を交わすことはあまり多くはなかったけど、彼といる時の空気はとても落ち着いていて心地よかった。