第15章 素直な気持ち*黄瀬*
ちゃんと謝ろう。
スケジュールが分からないから、何時に帰ってくるかわからない。
だけど、涼太の好きなもの沢山作って待っていよう。
昨日の反省と今日の感謝をいっぱい込めて。
台所に立ち、忙しなく準備をする。
すると、すっかり判別できるようになっていた彼の足音が聞こえた。
家のドアの前で足音が止まり、ガチャっと鍵を開ける音がした。
「涼太おかえりなさい!」
彼が扉を開く前に、私から彼を迎え入れた。
「名前!?うわー!びっくりしたっス!」
彼は家に入り扉を閉め、また鍵をかける。
「…昨日は言い過ぎた。ごめんなさい。」
しっかり彼の目を見て、謝った。
すると、涼太はぎゅうっと私を抱き締めた。
「いいんスよ。元々は俺が約束破ったのがいけなかったんだから。名前が後からちゃんと反省する子だっていうのはわかってるっス。」
もう。なんて優しいの、この人は。