第14章 Hot Spring*誠凛*
<木吉>
「鉄平ってそういうのに興味あるタイプですかね?」
「うーん…なさそう。普段もあんまり女子と話してるの見たことないわ。」
鉄平は呆れるくらいの天然。
だから普段何を考えてるのか、全くわからない。
あのおおらかなところに心引かれたのは私なんだけど。
お風呂を出て、自販機に行くからとリコ先輩と別れた。
すると自販機の前に神妙な面持ちの鉄平が立っていた。
ジュースを買う様子もない。
「鉄平?何してるの?」
「ああ、名前!」
にかっと清々しいほどの笑顔に思わず毒気を抜かれる。
もしかして私のこと待ってたのかな?