第14章 Hot Spring*誠凛*
二人で旅館の庭園に出た。
夜風が火照った体を冷ましてくれる。
「お風呂上がりだから涼しくて気持ちいい。」
「…てかお前髪濡れてるじゃねぇか。風邪引くだろ。」
大我は首にかけていたタオルで私の髪をわしゃわしゃと拭いた。
あっという間に乾いた髪に指を通し、頭を撫でてくれた。
彼の手から、そして指から熱を感じドキドキしてしまう。
彼が椅子に腰掛け、膝を叩き座るように促した。
「初めての温泉どうだった?」
「あー…間違えて海パンで入っちまった。でも、久々にゆっくり風呂入れたな。」
「海パンって!もー、大我ってば…。」
くすくす笑っていると、彼が後ろから腰に腕を回し、私の手を取り包み込む。
「もっと日本で色んなことやってみたいわ、名前と。」
「うん!WC終わったら、一緒に初詣行こうか!」
「ハツモーデ?」
まだまだ先は長いんだから。
二人で色んなところへ行って、楽しいことたくさんしようね。