第14章 Hot Spring*誠凛*
<黒子>
「あぁ、でも黒子くんいなかったわよ?先に出てたのかもね。」
リコ先輩がすかさずフォローを入れる。
でもおかしい。
彼は皆でいる時に独立した行動はしないタイプのはず。
「リコ先輩すみません!先に上がります!」
足早に女湯を出て、彼を探しに出た。
旅館内を歩き回るが見つからない。
外に出たのかと思って玄関の方に向かうと、正面から彼の相棒が歩いてきた。
「おう、苗字」
「火神!黒子くん知らない?」
焦った私の様子を見て、彼は手に持っていたポカリを手渡した。
「あいつ1年の部屋にいるから、それ持っていってくれ。あいつもお前が側にいる方が落ち着くだろ。」
ありがとう!と伝えるのと同時に私は急いで黒子くんの元へ向かった。