第13章 KissHug*木吉*
霧崎第一との試合での負傷。
元々違和感を感じていた足に致命傷を負ってしまい、入院しリハビリをすることとなった。
これからバスケが出来なくなるという不安と絶望。
どうしていいかわからない状態だった。
心配をかけたくなくて「捻挫だ」と言ったが、俺の嘘をすぐに見破ったのは日向と名前だった。
日向と来年日本一になる約束を交わし、その後入れ違いで彼女が病室に入ってきた。
ボロボロに涙を流す俺に腕を回し、ぎゅっと小さな体で抱き締めた。
「私が鉄平を支えるから。だから頑張ろう。」
それから彼女はほぼ毎日会いに来てくれた。
パッと周りが明るくなる笑顔で、同室のじいちゃんやばあちゃんの心も掴んでいた。
リハビリが思うようにいかず落ち込んでいる時も、俺の眉間のシワはぐっと押してこう言った。
「鉄平。楽しんでこーぜ、でしょ?頑張ってもうまくいかない時はあるんだからね。リハビリ楽しんでこーぜ!」
彼女にどれほど救われたかわからない。