第12章 Confidence*高尾*
「…俺さ、元々人より視野が広いんだよ。」
高尾くんがぽつりと切り出した。
「ホークアイっていって、見つめてる一点じゃなくて全体を見渡せる目なんだよ。だから見たくないものも見えちゃうんだよね。」
「…見たくないもの?」
そう尋ねると、彼は苦笑いをして答えた。
「好きだった女の子が自分の親友の方ばっか見てんの。しかも、そいつもその子のこと好きだっていうのもすーぐ気付いちゃった。」
絶対辛かったはず。
この後は聞かなかったけど、彼の性格ならきっとその親友を奮い立たせて、その女の子を譲ったと思う。
それを乗り越えて今の彼がいる。
…私もそろそろ乗り越えなくちゃ。