第12章 Confidence*高尾*
この一言にかなり救われた。
「苗字名前です。よろしくね。」
「周り男ばっかじゃ自分から話しかけにくいよなー。」
私の心を読んだかのように、彼は明るく言った。
「そうなの。私人見知りだから尚更話せなくて…。」
「同じ高校のやつとかいねーの?」
「私、大学進学で東京に来たから…。」
「へー!じゃあ俺東京での友達第一号じゃん!」
彼はにかっと人懐っこい笑顔を見せた。
一つ繋がりが出来るだけで何でこんなに心強くなるんだろう。
私もつられてふふっと微笑んだ。
「名前ちゃん、笑ってた方が絶対いいよ!マジ可愛い!」
「可愛い」なんて男の子に言われたことなかった。
顔が急激に熱くなった。
「…ありがとう、ございます…。」
いきなり名前で呼ばれたが、何故だか全く嫌な気持ちにならなかった。
彼が持つ明るく人を惹き付ける雰囲気のおかげなんだろうな。