第12章 Confidence*高尾*
18年過ごした地元を離れ、東京の大学に進学した。
どちらかというと自然が多い街で暮らしていたので、都会的な空気にいまいち馴染めていない。
当然知り合いは一人もいない。
しかし大好きなふるさとを離れることを選ぶほど、この大学のカリキュラムにとても魅力を感じ、東京に来ることを決意した。
今日は大学のオリエンテーション。
元々人見知りな私は、周りの子に声をかけることも出来ず
縮こまってしまっていた。
番号順で座っていたが、周りは事もあろうに男の子ばかり。
余計に話しかけにくかったのだ。
「ねぇねぇ、名前何で言うの?」
私に聞いたのかな?
ふと声がした方を見ると、切れ長の瞳に黒髪の男の子がいた。
「俺、高尾和成!よろしくでっす!」