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狂桜鬼伝【薄桜鬼】

第2章 狂い咲きの桜の下



『何?海斗?』


息を切らして坂を登ってくる男に
私は目線を下に向けて呼んだ。


海斗「何じゃないだろー?!
どんだけ心配したと思ってんだよ!!
お前九条家のお嬢なんだからさ!!」



海斗は私の肩を持って下を向いて
息を切らせながら私に言った。


『………………離して、海斗。』


私は冷たくそう言うと肩に
置いてある海斗の手を払うと立ち上がった。



海斗「…………っつちょ!!
酷すぎるぜ?百合ー?!!」



海斗は歩く私に向けて言いながら
私を追いかけてきていた。


「百合ー!!!」


『!!!!!!』



聞こえてきた声に私は後ろを
振り向くと一人の女の子が走ってきていた。


「百合、おはよう!!!
今日も可愛いねー!!!」



『おはよう、紗季!!
お前の方が可愛いってー!!』


私の仮の友、紗季。


何故仮なのか、
それは私が裏の顔そして表の顔があり。


素が裏の顔だから人とは
あまり関わりを持ちたくないからだ。


だから本当の友なんていらない。


表の世界での私は本田百合として
通っていて自分が九条家ということを
隠して生きている。


裏の世界では九条家のお嬢。
九条家は代々伝わる殺し屋だ。
世間からは痛い目で見られている。
だから私は隠されているんだ。
だって、九条家は只の殺し屋じゃないんだから・・



・・・まぁ苗字を変えているから
バレはしないんだけど
家に入るときは一苦労する。


だって私の年齢で殺しやってるとか
絶対みんなビビるだろ?


それに私みたいな異端の存在なんか
関わらない方がいいんだよ。
この世の人間もこの世自体も・・。


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