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狂桜鬼伝【薄桜鬼】

第2章 狂い咲きの桜の下


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『……はぁ……はぁ……はぁ…』


ちくしょー、
忌々しい夢見るなんて…
今日はついてねぇぜ………



私は今草の上に寝転んだ体を
勢いよく起こして息を荒げた。


見上げれば目の前には大きな桜の木。
冬の冷たい風を受けてザワザワと
音を立てて揺れていた。



『綺麗なピンク色…………』


私には正反対でとても美しい。



触れたいけど触れたらいけない。
私の身体は汚いから。


すごく汚れている。
それはあのときだけじゃなくて――――



「百合(ゆり)ー!!!」


突然の声に私は声がした方を
ゆっくりと振り向いた。
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