第4章 裏と表と誠の意
私が斎藤と呼び捨てにしたからだろうか
斎藤の隠れていない眉がピクリと動いた。
斎藤「………それが誠か……」
私の急変に驚いてるみたい。
当たり前だよね…………
だって真逆だもんね、全て。
『うん、そうこれが本当の私。
クスッ驚いてる?』
斎藤「………何故……
そのようなことをした………」
…………てか、何で周りにいるわけ?
私が気づいていないとでも思ってる?
『ふっだってこんなの
現代でも普通にしてたし?
私、殺し屋だよ?
いつのまにか表と裏が出来てて
貴方達にも表の顔で接してたってわけ』
斎藤「…………では何故
表の顔で我々に接したのだ?」
『ふっ…………だって……』
私はそう言うとゆっくりと
斎藤に近づいていった。
斎藤は微動だにせず私を
ただ見つめているだけ。
『表の私の方がみんな寄ってくるでしょ?
みんなから慕われるでしょ?』
私は斎藤の目の前に来て
微笑みながら言った。
『裏の私なんて誰も受け入れてくれない。
まぁ受け入れてほしいわけじゃないけど
表の私の方が相手にとっては気楽でしょ?
話しやすい子だってすぐ思われる。
……クスッだからあんたが言う通り私は偽善者だよ。』
私はそう言ってクスクスと笑った。
斎藤「…己自身を恥じているのか?」
!!!!
何……こいつ……
『恥じるね~
恥じているより自分の存在を否定してるの。』
私がそう言うと斎藤の目が大きく見開かれた。