第4章 裏と表と誠の意
『………嘘の自分?
斎藤さん、意味が分からないのですが…』
初めてだよ、斎藤が。
斎藤「そのような嘘はつかなくていい。
今のお前は偽善者同様だ。」
偽善者……………
ふふふ、最高。
『何故そのように思われるんですか?』
斎藤「お前の目といい表情、
そして行動までもが全て
俺には嘘に見えたからだ」
だから、この人は私のことを
凝視してたってわけね。
さっきの気持ち、嘘じゃないかも。
私、斎藤にバレて嫌な気持ちになってる。
何で?大事だから?
この人達が?
……意味わかんない。
つか、もうどうでもいい。
私もキツいし。
『ふぅ~ん、
斎藤って良い観察能力持ってるよね?』
私は立ち上がってそう言うと
少し口元を緩めながら腕を
組んで壁に寄りかかった。