第2章 狂い咲きの桜の下
………今日は見張りがつくな…。
綺麗な着物を着た私は部屋の
真ん中で大の字になって寝転んだ。
今日は殺しの依頼が入ってないから
凄く嫌な気持ちになる。
人を殺しているときが一番あの日の
ことを思い出さなくていいから。
だって、忘れられるんだぜ?
……まっ……その度に私の身体は汚れ。
………その度にあいつらの身体を汚してしまう。
『まったく・・結局はあいつの思い通りかよ。
まっ私が選んだ道だし、もう仕方ないことなんだけどよ・・』
・・・なんなら、一層のこと、
こんなつまらない世界で生きるくらいなら
あの時私も一緒に殺してほしかったよ・・
『そしたらこんな身体にもこんな運命にもならなかったのによ・・。
あいつらも私なんかに仕える必要もなくなるのに・・』
・・・こんな汚れた‘化け物‘なんかに・・な
ガバッ
綺麗な着物が勿体ないな、
済まないな、私みたいな奴に着られて。
お風呂でも入るか…………。
私はそう思って立ち上がって
襖を開け廊下を歩き出した。