第2章 狂い咲きの桜の下
ふぅ~やっぱりお風呂は最高だな……。
私は余韻に浸りながら廊下を歩いていた。
もう周りは暗くなっていて
月明かりが廊下の窓ガラスに
映りきらきら輝いていた。
ガラッ
私は扉を開けて庭に出た。
裸足で外に出た私は地面の
冷たさを改めて実感した。
『・・・薄桜・・』
私はこの場所が大好き。
九条家に代々伝わる
この大きな大きな桜の木が。
この薄桜色を輝かせているこの場所が・・。
………でも触れてはいけない。
桜は綺麗だから………
私が触ったら一瞬で汚染されそうで…
私はそう思って上を見ると
ザワザワと音を立てて揺れる
桜の木を私はただ茫然と見つめた。
―そして、私の意識は途切れた。