第2章 狂い咲きの桜の下
海斗「ちぇ、俺のときもあんな
可愛い声して笑ってほしいぜ!!」
海斗は桜の木の下であぐらを
かいて座って言った。
「しょうがないだろ?
お前だって分かってるはずだ。」
突然聞こえた声に海斗は
後ろを振り向いた。
海斗「なぁ~んだ、お前かよ、陸斗」
陸斗「まったく、家にいないと
思ったらここで眠っていたなんて…」
陸斗と言われた人物は
そう言って桜を見上げた。
海斗「あいつ、あんま家いないもんな。
夜のときにしか家こないし…」
陸斗「仕事のためとは言え
お嬢には早く"売り"を
止めさせないとな……
いろんな意味で………」
海斗「……………俺嫌だ……
百合が他の男に抱かれてんの」
陸斗「………あぁ俺もだよ。」
百合の裏表の顔を知る
もう一人の人物、陸斗は
海斗の双子の兄である。
陸斗は九条家で殺し屋の情報を管理している。
言うまでもなく二人は
百合を愛している。
それを百合は知っていたり
知らなかったり………