イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第8章 ワイン【大胆不敵謎の情報屋シド/R18】
『…っ…シド…?』
「驚かせて悪かったな」
そして、
いつの間に置いたのだろうか。
シドは
近くに置いてあった大きな箱を開け、差し出す。
「今、貴族の間で流行りの色のドレスだ」
『え?』
「服、汚しちまったからな」
『………どうして、ドレスなんて持ってるの?』
「お前……本当に気付いてねえのか?
今日のコレ、“公務”に決まってんだろ」
『……っ…じゃあ、初めから…?』
「お前、鈍感すぎだ」
『そ……そうなんだ
…………ごめんなさい…』
「あ?…なんで謝る?」
『シドにとっては“公務”なのに
……怒ってしまったから…』
(こいつ……本当に変なやつ)
シドは何故かたまらなくなって
サラをぎゅっと抱きしめた。
『シド…?』
サラは戸惑いながらも
シドの抱擁を受け止めて
頬を染めた。
身体は
熱く
疼いたままだった……。