イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第8章 ワイン【大胆不敵謎の情報屋シド/R18】
「そうか。
我慢しきったご褒美だ
指よりも、もっといいもんくれてやるよ」
シドの瞳が
先ほどまでとは比べものにならないほど
鋭く、妖艶に光る。
それはまるで
餓えた獣のようで…
サラは捕えられたように動けなくなって
[シドっ……]
声を出すのも忘れるほど。
シドの大きな手が
自らのベルトにかかり
かちゃかちゃと金属音がして…
(ジル、悪いな。
俺はお前の言う事を聞く義理はねえ)
スラックスを下ろそうとしたその時。
コンコン。
ノックの音が
静寂を打ち破るように響いて。
サラがはっとして扉の方を見る。
(…誰だ?)
シドが怪訝そうに眉を顰めた。
「サラ様?そろそろ時間だよ」
ユーリの屈託のない声が聞こえる。
(ちっ…邪魔しやがって)
が
大人なシドは冷静だ。
「分かった」
何事もないように答えた。
「支度が出来たら声かけてね」
(まあいいか。
焦る必要はねえ。
逃げられねえんだからな、この“公務”からは。
……ただ…)
『お前は可愛そうだがな』
シドは意味ありげに笑う。
サラは
まだ息が荒げて
疼く欲を必死に抑え込もうとしていた。
そんなサラを
抱き起して
額に優しく口づけるシド。