第3章 及川さんに誘われて……
「ゴメン、ちょっと無理させちゃったかな」
ソファの上で後ろから抱きしめてくれる体温が暖かい。
結局3回もシた。
普通に。バックで。そして上に乗らされて。
声が枯れるまで、あえがされた。
「疲れちゃった?」
「……毎日、するから……」
「だって夏休みはそういう休みでしょ」
「毎日、部活行ってますよね……?」
「それとこれとは別腹だよ」
夏休みに入ってもう半月。
強豪バレー部主将の及川さんは、日曜日以外は毎日練習に行く。
そして夕方、携帯で呼び出される。
「ご家族、いつ帰ってくるんですか?」
「え~いつだろ……」
夏休み中、及川さんの家族は避暑で別荘にいっている。
毎年恒例らしい。
「あと1週間は帰ってこないんじゃないかな……」
「お父さんも、ですか?」
「うち自営だから」
お金持ち、なのかな?
家も大きいし……
「甥っ子もいっしょだから親はそっちにかかりっきりだしね」
くるりと体を反転させられ、正面から抱きしめられる。
「だから、今日も泊まってって」
チュッ。
ついばむようなキス。
「……でも」
「あ、今日お母さんいる?」
「いえ、しばらく夜勤だから……」
お父さんは単身赴任でたまにしか帰ってこない。
お母さんは看護士長で、夜勤が多いし忙しい。
小さい頃から両親が忙しかった。
だから、きっと本を好きになったんだと思う。
「家が大丈夫なら、泊まってって」
「……」
「俺が寂しいの!」
甘えた声と、ちょっと拗ねたような顔。
カッコいいからだけじゃない。
こういうふとした顔に、みんな虜になる。
私も……