第3章 及川さんに誘われて……
「なにいきなりナンパしてんだ、クソ川!」
「ナンパじゃないよ。本気だし」
「こいつのいうこと、気にするなよ」
はじめちゃんの言葉に、うんとうなずく。
「あ、今頷いたよね!?」
「え……」
「ばっか、OKの意味じゃねえだろうが!」
「違うよ。うん、OKって意味だよね?」
「あ、あの、私……」
「よし、じゃあ今日からよろしく」
「なに勝手によろしく言ってんだっ!」
「岩ちゃん嫉妬しないでよ~」
「ばかっ、こいつガキの頃から知ってる真地面なヤツだから、てめえなんかとは違うんだ、ボゲッ」
「へえ、岩ちゃんの幼馴染なんだ」
「あ……近所に住んでて……」
「じゃあ岩ちゃん公認ってことで、今日から彼女、よろしくね」
「はあっ!? なに言ってんだてめぇ」
なんなんだろう、この先輩。
みんな呆れてるし。
周りの女の子は騒いでるし。
「ってかおまえ、この前別れたばっかだろうが」
「そんなの関係ないよ」
「その節操のなさ、ヤメろ」
「俺はいつだって真面目だよ、ね、メガネちゃん」
「………」
この前別れたばっかりということは……
簡単に、なんかてっとり早く、みたいな……?
っていうか、何で、いきなり私……?
試合見ないで、本読んでたのが気に入らなかった?
遊び?
それに、大体この人のこと、何も知らない、私……