第15章 番外編2 我儘な彼氏
そんな……
思わず眉間に皺が寄ってしまう。
「不満なの……?」
及川さんの腕が、肩を抱き寄せる。
片方の手がビキニの上から乳首をきゅっとつねった。
「ぁっ……」
「ほら、上からでもどこが乳首かわかっちゃうじゃん……ダメだよ、白なんて」
「……黒だったら、よかったってことですか?」
「黒はエロいから、もっとダメ」
ね、と耳たぶを甘噛みされて、しかたなく、頷くとTシャツを頭からかぶる。
「これで、いいですか」
呆れた口調でお伺いを立てる。
「あ……やっぱりだめかも」
「……?」
「なんで君ってそんなにエロいの……?」
及川さんの手が、今度は太ももを撫でる。
「俺の大きなTシャツで、ぎりぎりお尻が隠れる長さって、すごくそそる……」
太ももから股間へと手を滑りこんでくる。
「…ちょ、だめ、こんなところで……ぁんっ」
こんな、らっきょ君のところの海の家に隣接した更衣室じゃ、だれが来るかわからない。
「大丈夫だって……」
ゆるゆると私の股間を弄りながら首筋に唇を這わせる及川さんは、紺色のサーフパンツをはいている。
裸の上半身はすごく引き締まっていて、明るいところで見ると、ちょっとドキドキしてしまう。
「ね、も、もういかないと……」
「いいって。みんなもう先に海入ってるって」
「おい、クソ川、まだ着替えてんのかっ!?」