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【R18】【ハイキュー!!】 ドSな彼氏

第15章 番外編2 我儘な彼氏



「これ着て」

「なんでですか?」

「日に焼けるから」

「日に焼けるために、海に来たんじゃ……」

「焼けるのもダメ」

「でも泳ぎたいし」

「泳がなくていいから」

「……海って、泳ぐためにあるんじゃ……」

「海は見るためにあるの!」

ほら、とまたTシャツを押し付けられる。

いい加減にしてほしい。

はぁっと小さくため息を吐くと、

「ちょっと、今溜息ついたよね!?」

すかさず指摘を受ける。

いつもバレー以外のことにはちゃらんぽらんなのに。

夏休みの海水浴場。

バレー部のらっきょ頭の1年生の子の親戚が海の家をやっているということで、バレー部のみんなで泳ぎにくることになったらしい。

『一緒に行くでしょ』

有無も言わさない口調で誘われた。

去年もおととしも海には来なかった。

だから、ちょっと楽しみだった。

なのに……

「はい、これ」

ダメ押しにまた言われて、しょうがなくうけとる。

海に着いて、水着に着替えて出てきたら、焦ったような及川さんにいきなりTシャツを渡された。

「そういうの、ほんとダメだから」

「そういうのって……?」

及川さんの視線が、身体に絡みつく。

「だから、そういうの!」

「……水着ですか?」

「ち、違う、……ビキニ!!!」

「え、なんで……」

「なんでって……、そんなの決まってるじゃん! ほかの奴が見るんだよ!?」

そりゃ、海だし、みんな水着だから、当然なんじゃ……

「そんなセクシーなの、着てくるなら言ってよ」

白い上下の普通のビキニだけど、何を見て及川さんがセクシーなんていうのかさっぱりわからない。

「と、とにかく、もう今日はこのTシャツ来て、じっとしてて」

じっとしてるって……

「でも、海入りたいし」

「だめ! 今日は金田一のとこにいて、あんまり肌見せないで」


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