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【R18】【ハイキュー!!】 ドSな彼氏

第8章 番外編 及川徹side


「え、でもあの子可愛かったじゃん」

「てめぇは誰でもいいんだろうが」

「ちょっと、俺の基準はかなり厳しいよ」

「どこがだ。誰彼かまわずいい顔しやがって」

「あれは芸能人のパフォーマンス、みたいな?」

「誰が芸能人だ、ボゲッ」

「ほら、あの子、あそこのマネに似てるし」

「あ? どこだよ」

「ほら……黒い……あ、烏野」

岩ちゃんはちょっと考えて、「ああ」と思い出したようにつぶやいた。

「落ちた強豪な。あそこと練習試合なんてしたことあったか?」

「去年のインターハイ予選で見たことあるんだよね~。メガネかけてて、ちょっとエロい感じで、口元にほくろがあってさ。たしか俺らと同じ学年だったはず」

「どんだけ細かいとこまで見てんだ、てめぇ」

「可愛い子は忘れないのが俺のモットーだから」

「そんなクソモットー、ドブに捨てちまえっ」

岩ちゃんは部室にドカドカ入ると、もうこの話は終わり!とばかりに着替え始める。

やっぱり、岩ちゃんあの子のこと気に入ってるようだ。

本人はまだ無自覚かもしれないけど……

メガネのあの子。

ぱっと見ただけだけど、色が白くてメガネの奥の目が大きい子だった。

でも……

及川徹の名前は知らない雰囲気だった。

青葉城西の去年の学園祭人気投票No.1だったのに。

そう思ったら、ちょっと悔しくなった。

そんなみっともない気持ちは、誰にも言えないけど。

なんか気になる。

そんなの、初めてだった。


……あれから

彼女を知って、1年以上……

ようやく、彼女がバレー部の試合を見にきた。

体育館の観客席で、分厚い、誰も借りたことのないような難しい本を読んでいた。

バレーの試合は興味なさそうに。

俺にも興味なさそうに。

だから、ちょっと意地悪したくなった。

どこまで彼女が、俺のわがままに付き合うのか。

俺のことを、視界に入れて欲しくて。

俺のことで、彼女をいっぱいにしたくて。

……あの桜吹雪の日。

初めて見た時から、俺は彼女に恋したらしい。

あの子を操りたい。
俺の思う通りに、泳がせて、喘がせて、俺でいっぱいにしたい。

岩ちゃんからも、だれからも、彼女を奪い取りたい……

生まれて初めて、誰かを「欲しい」と思った。


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