第5章 はじめちゃんの前で犯されて……
「ちょ、及川さんっ?」
体育館の裏手を回って連れてこられたのは、用具室。
ボールやネットを保管する場所で、体育館の外からも中からも出入りできる。
電気がついてない。
薄暗い中に入ると、いきなり背後から抱きしめられる。
「お、及川さん……?」
「なんで連絡くれなかったの?」
髪にキスされる。
「あの……すいません」
「謝って欲しいんじゃないよ」
さらにぎゅっと抱きしめられる。
「……っ」
体育館へつながるスライドドアが少し開いている。
その隙間から、コート側のあかりが漏れ入ってくる。
「及川さん、誰か来たら……」
「いいじゃない、いつも抱き合ってる仲なんだし」
「だめっ、……こんなところで」
「いいの、いいの」
よくない。
「ホント、ダメ、あ、んんっ……」
唇が首筋を這い上がって、口を塞ぐ。
「んふっ、……んん……」
及川さんが私の舌を探り当て、絡ませ、そして吸いあげる。
「んんっ……んっ」
唾液が顎を伝う。
いきなりの激しい口づけ……
苦しくて息が途切れそう。
「ゃぁ…あん……」
及川さんの手が制服のシャツの中へもぐりこんでくる。
誰が来るかわからないのに……!
拳で肩を叩いて、頭を左右に振る。
「そんな抵抗しないで」
「やっ、こんなところでダメ……」
皆、練習してるのに。
こんな部活やってる場所で。
なのに、及川さんはおかしそうに喉を鳴らす。
「だって君、岩ちゃんばっか見てたから、せっかくだし岩ちゃんに君のエロい姿見てもらってもいいかなって思って」
え……?
及川さんがドアの方を見てる。
視線を追うと、その先に人影が見えた。
ドアのところに……
え、あの後姿、はじめちゃん……??