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コイイロ
第2章 宮崎健治
宮崎は一旦思考を止めて電車の曇った窓に目をやった。
腕を伸ばし指で少しだけ窓を拭いた。
外の景色を見る。
外はもう真っ暗で所々に街灯や家の光がみえる。その光が左へぶれていく。
まるでこの世の中に自分一人だけ取り残されたような気がする。
暗闇を見つめていると胸に寂寥の感がこみ上げてくる。
宮崎は耐え切れず窓から目を離した。
協奏曲はまだイヤホンから流れている。
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