第8章 鬼家
その夜、深夜2時だというのになかなか寝付くことができずにいた
日紫鬼「……」
妖艶『まだ起きてるのか』
日紫鬼「妖艶坐嬢も起きてたんだ……」
妖艶『どうした』
日紫鬼「……私は両親の記憶はない。克伸(カツシン)師匠が親代わりだったし……私が生まれたときってどうだったんだろうなぁ〜って思ってさ。妖艶坐嬢は知ってるでしょ?」
妖艶『……あぁ。一番うるさかったのは奴だったな』
日紫鬼「やつ?」
妖艶『お前の叔父、九十八代目の庵戯だ……最初は息子の也有鬼(ヤユキ)とお前の母、雪渼(ユキミ)との付き合いを当然反対していた』
深夜2時過ぎ、妖艶坐嬢の思い出話が始まった
ーーーーー庵「ならん!!貴様は禁忌をっ、この世界の掟を破るきか!!」
也「何を言われても、僕は雪渼と生涯を共にするつもりです……確かに掟も大事だ…だけど、もっとよく見てください。人間を…父上」
こんな会話が顔合わせるたびに繰り返された。そんなことが続いたある日にお前が…日紫鬼が産まれたのだ
『ンギャァー!、ォンギャァアー』
也「雪渼っ、頑張ったな…頑張ったな…ありがとう、雪渼っ」
雪「ハァ、ハァ;…わ、たしの子……私と也有鬼様の…大切な子」
也「あぁ、僕らの子だ…僕らの宝物だ」
雪「《グスッ》…ありがとう、日紫鬼…私達の所に来てくれてっ、ありがとぅ…」