第6章 月夜の猫
化け猫の大きな右手が虫でも払うかのように大きく振られた。日紫鬼はすぐに転がるようによける
日紫鬼「(ギリギリの…一定の距離を保とう;)」
化け猫「勘九郎ォ…勘九郎ハ何処ダ…」
日紫鬼「何故、勘九郎なんだ…勘九郎が何をした」
化け猫「オ、ノレ、オノレ勘九郎ォォ……許サヌ、許サヌ…私ノ子供、子供!」
日紫鬼「子供?」
化け猫「ニャァァァア゛アアアアアア゛!!」
化け猫は日紫鬼にむかって襲いかかる。まるでネズミを捕まえる猫。化け猫の一飛び、一飛びは地面を深く抉る。こんなの食らったら身体中の骨は折れるどころか粉々だ
日紫鬼「ハァ、ハァハァ;クソッ」
妖艶『おい、逃げてばかりだt』
日紫鬼「うるさい分かってる!曲がる時、少しスピードが落ちる!そこを狙う!」
日紫鬼は全力で逃げ、タイミングをはかる。しかし、逃げた場所はあの二人がいる所だった
日紫鬼「(しまった)」
化け猫「ン?…人間ノ臭イダ…勘九郎、勘九郎カ?」
ヤクザ1「ひぃぃ!!バケモンだ!」
ヤクザ2「おい!しがみつくなよ!円からはみ出ちまう;」
日紫鬼「(バカッ、静かにしなさいよ!)」
妖艶『見えないだけじゃなくて、声まで聞こえないようにするべきだったな。だから、邪魔だと』
日紫鬼「ぅっ;…」